皆さんこんにちは。
先週話した「ストレスを溜めないよう脳の働きを整えてくれる優れもの」エゾウコギについてお話します。
ただ何度も話しますがエゾウコギは医薬品ではありません。
効能効果をうたう事は出来ないのですが、ロシアやアメリカ、中国等で注目され、日本においてもエゾウコギにどの様な働きがあるのか研究が続き学術報告も次々と挙げられています。
エゾウコギは脳と体のバランスを整える物として注目され続けている生薬なんです。
歴史背景も含め、どんな作用があるか少し紹介いたしますね。
世界的にエゾウコギが有名になるきっかけを作ったのは、旧ソ連時代1960年にブレフマン博士がエゾウコギの研究を発表、「エゾウコギは全く無害で様々なストレスへの防御反応を作り出し、心も体も正常化させる」とした事からでした。
当時、ソ連とアメリカは宇宙開発を競い合っていました。
当然、宇宙飛行士には未知の世界への旅立ちという事で大きなストレスがかかります。
そこでブレフマン博士はソ連宇宙船ソユーズ32号にエゾウコギを常備。
宇宙飛行士にエゾウコギを服用いただき、記録破りの長時間宇宙遊泳を成功させる一助となりました。
この事を1968年アメリカ航空宇宙局NASAが情報をキャッチ。
ここから急激に話題は広まり、一気に注目を浴びるようになったのです。
中国においては古くからエゾウコギの事は知られていましたが、ソ連とアメリカがエゾウコギの研究を進めるに
あたり、負けてなるものかというぐらい中国内においても研究を進めていくのです。
エゾウコギという名称は日本のものです。
中国では刺五加(シゴカ)、ロシアではエレウテロコック、アメリカではシベリア人参と言います。
それぞれの国で呼び方は違うのですが、和名エゾウコギで話を進めますね。
世界で注目されるようになったエゾウコギは抗ストレス作用の研究だけでなく、耐久力、集中力を高めるのではないか?とアスリートの身体能力を高める事を期待しトレーニングに用いられるようになりました。
結果は?!
ソ連においても中国においても、スピードスケートやマラソン等、持久力を求められタイムを競い合う競技において平均タイムが短縮するという好結果が得られたのです。
この結果をもとにエゾウコギが心肺能力を高めるのでは?との研究が進められていきます。
医療の世界で喘息患者さんに使用した所、8割の方に効果が得られました。
また、心臓部と胸骨部の痛みを訴えていたアテローム性動脈硬化をおこしている62名に臨床治験を行った所、43名が痛みの消失、14名に痛みの減少が見られました。
頭痛は全員が消失し、気分の改善、血圧の正常化、冠血液循環に改善が見られたのです。
まだまだ多くの中国やロシアにおける海外治験報告がありますが、これらの報告に促され日本の医学部、薬学部にてもエゾウコギの研究が進みます。
いくつかを紹介しますと・・・
1、ストレス性胃潰瘍に対する抗潰瘍作用
2、成長ホルモンによるナチュラルキラー細胞の活性
3、情動性疾患に対する有効性(不安障害、気分障害、いわゆるメンタルトラブルに効果があるかないか)
4、パーキンソン病に対する有効性
この4点は三重大学医学部にて研究し学会発表されたもの。
長くなるので控えますが、他の大学においても様々なテーマでエゾウコギの研究は進んでいます。
どうでしょう?
不思議な生薬として様々な症状にエゾウコギが使われている事を分かっていただけました?
私はご相談いただく方にエゾウコギの服用を勧める事も多いのですが、メンタルの部分だけではなく、いよいよシーズン到来の花粉症対策としてもお勧めです。エゾウコギの抗アレルギー作用は期待できますよ。
お困りの方はご相談くださいね。