二週にわたり「水を持つ力」についてお話しました。
水を持つ力が衰えてくる事が腎虚傾向にあるとの意味はお分かりいただけたかと思います。
腎は水のコントロールをする臓器と言っても良いでしょう。
ただ、腎の働きについてはもう一つ覚えておいてほしい事があります。
寒くなって手足が冷たくなる方も多いのでは。
手足だけでなく身体全体が冷える、寒さが身に染みると日々感じておられる方もいらっしゃいます。
この寒さに対して体を温め、熱を全身に回す力も“腎力”なのです。
腎は熱を作る力(熱=エネルギー)を司る臓器でもあるのです。
熱を作る力と水をコントロールする力が整って、体に潤いが保てると理解ください。
肌がカサカサしてくるのは水をコントロールする力、水を保つ力の低下だけでなく、体に程よく熱を作り、水を巡らせる事ができて整うのです。
この二つの働きがバランス良く出来て、身体の真の潤いが保てます。
体を潤す原材料が足りない方も体がカサカサしてきますが、必要以上に熱を作り過ぎる(いわゆるオーバーヒート。顔が火照ったり体に赤味を持ち痒みが強く出る)状態にある方は当然、体の潤いが飛んでしまいカサついてきます。
また体を潤す原材料が足りないが故にオーバーヒートになる方もおられます。
この辺りの見極めが難しい所なのですが、ご相談者の食生活を中心に日々の過ごし方をお聞きしながら、どこに問題点があるかを見極めアドバイスさせていただいております。漢方薬をお持ちいただく場合もありますし、私がドラッグテジョンをスタートして30年の間に信頼を培った商品、全身に潤いを届けるお手伝いをしてくれる健康食品をお勧めする時もあります。
三週に渡って“腎”の働きについて話してきましたが、私たちの体を支えてくれている五臓(心、肝、脾、肺、腎)は単独で働いている訳ではありません。
それぞれが調整(私の好きな表現で言うなら・・支え合ってくれているから)してバランスを保っています。
では五臓が支え合う調整力はどこが発信元といえば・・・それは“脳”。
心の取り持ちこそが調整力のカギを握ります。。
コロナ禍にあっても日々の生活を穏やかに過ごし、生かされている事に感謝する生活が一番五臓の働きも整えてくれる原資ではと思います。
食も運動も大切ですが、穏やかに平安に過ごす心を一番大切にしてくださいね。