私たち人間のカラダは、とても小さな細胞の集合体で、およそ60兆個の細胞が肝臓や脳などの臓器をはじめ、骨や筋肉などを形成しています。
よく「カラダの基礎づくり」という言葉を耳にしますが、基礎づくりとは、60兆個のそれぞれの細胞が元気に活動し、さまざまな臓器が正常に働くことを意味します。
この細胞の活力が低下することによって、免疫力の低下や疲れなどの症状が出てきます。
細胞の活力には、大切な3つの要素「栄養」「体温」「酸素」が必要なのです。
わかりやすく人間のカラダを住宅に例えると、住宅を建てる場合、その地盤が丈夫でないと、せっかく建てた家も柱が傾いたり、壁がはがれたりします。
つまり欠陥住宅となってしまいます。
人間も基礎がしっかりしていない状態では、カラダにさまざまな歪みができ、大きな病気につながります。
カラダの基礎づくりを行うことは、病気に負けない丈夫な力(自然治癒力)を作ることが出来ます。
―栄養で基礎づくりー
細胞を元気にするためには、まずバランスの良い栄養を摂ることが第一です。
そして、その栄養を十分に吸収し、カラダに必要な栄養を細胞に届けるには、口の中で咀嚼(そしゃく)、胃腸の消化、肝臓での栄養素加工がそろって働くことが必要です。
口(咀嚼(そしゃく):かむ力)
食べ物を消化しやすいように口で咀嚼します。
咀嚼がしっかりしていない方ほど栄養状態が悪く、胃腸に負担がかかります。
また、咀嚼能力は歯の本数と密接に関係しており、10本以上歯が抜けてしまうと、咀嚼機能は激減するだけでなく、アミノ酸やカルシウムなどの栄養素の吸収が低下してしまいます。
胃腸(消化)
食べ物を吸収しやすい形に変えるのが胃腸(消化)の働きです。
加齢やストレス、暴飲暴食により胃腸機能が低下すると、栄養素は十分に消化されないため、吸収も悪くなります。
そのため、食べているにも関わらず、大切な栄養が吸収されないため、疲れなどの回復が遅いと感じるようになります。
肝臓(栄養素の加工)
吸収された栄養分は一度肝臓に集まります。
栄養素は肝臓で使いやすい形に加工され、血液を通じて全身の各細胞へ運ばれます。
ですから、肝臓の働きが老化や疲れ、治療薬の常用などで低下すると、せっかく吸収した栄養素が加工できなくなってしまいます。
したがって肝臓の働きを高めることが、栄養を全身に届ける大切なポイントになります。
―酸素で基礎づくりー
血液中の赤血球には、全身の細胞に酸素を届ける働きがあります。
酸素は各組織の細胞が生きていくのには不可欠なものです。
各細胞が生命活動を維持するために、栄養分をエネルギーに変えていきますが、このエネルギーを生み出すためには、酸素が必要になります。
心身のリラックスには、豊富な酸素が有効です。
酸素は、リフレッシュ感と爽快感を与え、癒しの力を持っています。
しかし、逆に貧血などで酸素不足になると、各臓器、組織に影響を与えます。
肝臓
肝臓はエネルギーの消費量がとても高い臓器で、そのために多くの酸素が必要になります。
肝臓の元気がなくなると、体の隅々まで栄養素や体温が行き渡らなくなります。
脳
脳が酸欠状態になると、集中力が無くなったり、眠気を催すこともあります。
心臓
心臓への酸素が不足すると、心臓病を招き、突然死の原因ともなります。
筋肉
筋肉が酸欠状態になると、手や足のこむら返りが起こりやすくなります。
―体温で基礎づくりー
人間にとって理想的な体温は36.5℃前後といわれています。
この36.5℃前後という温度は、内臓の機能が正常に働き、免疫細胞やさまざまな酵素、ホルモンなどが効率良く働くために適した温度なのです。
体温が下がると、心臓や肝臓などの臓器の働きが低下し、体調を崩しやすくなり、大病を引き起こす原因となります。
さらに、免疫力が低下し、風邪をひきやすく、治りにくいといった症状も現れます。
低体温の子供が増加(男子10人に1人 女子7人に1人)
近年、35℃台という人が若い世代を中心に増加しています。
午前中ボーっとしている、元気がない、気持ちが悪くて学校を休みがちといった子供も増加しています。
体温を作る組織
体の中でも最も体温を作っている組織は筋肉です。
運動すると体がポカポカしてくるという経験があるように、筋肉によって体温を作ることができるのです。
普段より運動することで、体温を理想的な36.5℃に保つことができます。
しかし、何かと運動できない方でも体温を上げることができます。
肝臓を元気にすることです。
安静時には筋肉と同じくらいの体温を作る臓器が肝臓です。
肝臓に良い物を摂り、肝臓が元気になれば体温を正常にすることができます。