先週は、「氣」があっても肉体に応えるだけの材料が整っていなければすぐにガス欠を起こしてしまう、と言う話をしました。
車がガス欠を起こすと動かなくなる訳ですが、私たちの身体も動けなくなるまでひどい状態ではないとしても、昨日までは平気に動けていたのに「今日はなぜか身体が重い、動きたくないな」と言う想いを覚えた方はないでしょうか?
春に起こしやすい倦怠感。
どうして今日は身体が重いのだろう? なぜかモヤモヤする。
こんな気分を起こした経験がある方は、春のガス欠に気をつけていただきたいものです。
東洋医学理論になりますが春は「肝」の季節と言います。
「肝」の働きは現代医学の肝臓とは少し異なり、東洋医学での「肝」の働きを書いてみます。
① 疏泄を主る(そせつをつかさどる)
難しい言葉ですが、精神機能や臓腑の活動をのびやかに円滑に保つこと。
気の巡りを調節する働きの中心が「肝」にある。
② 血を蔵す(ちをくらす)
血の貯蔵庫として「肝」は働き、血の量を調節する。
③ 目に開竅(かいきょう)し、筋を主(つかさど)り、華は爪にある
血液を蔵す働きとの関係が深く、肝血によって目、筋、爪を栄養する。
しっかりと血液を造り、「肝」に血液を貯める力がないと目が疲れ、筋肉を作ることができず、フニャフニャな爪になってしまう。
同時に肉体の弱りは精神的ダメージを受けやすくなり体調不良を起こしやすいと言われてきています。
春は冬の間枯れていた草花も芽を出し、花を開く季節。
春の陽気が自然界にもパワーを与えている訳ですが、土壌に栄養がなければ芽を出し花を開くことはできません。
私たちの身体も同じで、陽気が活動を起こす気力を与えてくれますが、身体に動くだけの力がないと活動は続きません。
身体にダメージを受けないよう整えておかねばならない所が「肝」であるのです。
春の陽気について行ける体力は冬をどのように過ごしたかで左右されますが、すでに春なんですから過ぎたことは忘れましょう(笑)
もし不快な症状が出てきたとすれば無理をせず、「肝」が喜んでくれる養生をしてみましょう。
例えば爪もみ。
爪の根本を図のように20回ずつ親指から順番に、薬指だけはとばして小指までもんでいただくと臓器の巡りと氣の巡りが良くなります。
ちょっとしたサポートで「肝」のダメージを修復できますよ。
詳しくはまた来週に。